近年の殺菌・ウイルス事情と殺菌剤の移り変わり

殺菌に用いられる薬剤は一般的に【アルコール製剤】が主流となっています。しかし、近年アルコール製剤に耐性を持つ細菌・ウイルスが増えてきており、アルコール製剤の有効性が薄れてきています。これにより近年の殺菌は【次亜塩素酸ナトリウム】が推奨されるようになってきました。しかし次亜塩素酸ナトリウムには“脱色”“金属腐食”“変質”などの実用上の問題があります。

次亜塩素酸ナトリウムの“効力を上げ・欠点を無くした理想の殺菌剤”それがカンファ水なのです。

近年の殺菌・ウイルス事情と殺菌剤の移り変わり

カンファ水誕生の背景

次亜塩素酸ナトリウムに酸性剤を加え、pH を下げることで次亜塩素酸ナトリウムの【効力を上げ】【欠点・懸念点が減る】ということは理論上は150 年以上前より解明されていることです。しかし、次亜塩素酸ナトリウムに酸性剤を加えることは化学反応により有毒ガスが発生する本来非常に危険な行為であることからそれを実現することは技術的に困難なことでした。

困難な混ぜ合わせをハセッパー技研が開発した混合制御技術によりカンファ水が誕生したのです。

カンファ水誕生の背景

強力な殺菌・消臭効果 × 安心・安全な衛生水

従来の殺菌剤・消臭剤は「強力効果=危険・有害」な物がほとんどでした。カンファ水は強力な効果を持ちながらも、安全・無害・無公害な安心して使える新しい殺菌・消臭水です。

強力な殺菌・消臭効果ד安心・安全”な衛生水

殺菌 ・消臭効果の主体である次亜塩素酸遊離有効塩素と言います。カンファ水、次亜塩素酸ナトリウムを始めとする塩素系生成水及び機能水(電気分解水等)は次亜塩素酸の反応よって殺菌(ウイルス不活化)・消臭効果を発揮します。

次亜塩素酸分子(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl-)

次亜塩素酸分子(HOCl)と次亜塩素酸イオン(OCl-)

次亜塩素酸は pH 値(酸性~中性~アルカリ性)によって状態が変化します。
次亜塩素酸は pH 値が低くなるほど【分子 】の状態となり、pH 値が高くなるほど【イオン 】の状態になります。

分子 (HOCl)とイオン(OCl-)の作用
機序

分子 (HOCl)とイオン(OCl-)の作用機序

次亜塩素酸は分子(HOCl)、イオン(OCl-)共に細胞内部の栄養素を変性又は消費させ、不活化させる殺菌メカニズムになっています。分子は細胞膜を速やかに透過し、速やかに内部で作用するのに対し、イオンは細胞膜を透過することが出来ないため、外側から時間をかけて作用します。

分子 (HOCl)とイオン(OCl-)の作用機序

右記のグラフは次亜塩素酸分子(HOCl) 、次亜塩素酸 イオン (OCl-)それぞれが大腸菌を99% 死滅させるための作用時間を表しています。 ※右記グラフ:アメリカ環境保護局研究資料より引用

次亜塩素酸分子は【1.5 分】に対し、次亜塩素酸イオンは【120 分】を要しています。
すなわち、次亜塩素酸分子は次亜塩素酸イオンに比べ約 80 倍反応速度が優れています。

pH 値の変動による遊離有効塩素の存在比

下記のグラフは pH 値の変動による遊離有効塩素の存在率の変化を表しています。
※下記グラフ:技報堂出版【浄水の技術】より引用

pH 値の変動による遊離有効塩素の存在比

pH10 の時はほぼ全て次亜塩素酸はイオンの状態として存在し、pH 値が下がるに連れて分子の状態も存在してきます。
分子の存在率は pH7.0(中性)付近では約 80%、pH4.5 ではほぼ全てが分子の状態として存在します。
pH4.5を下回るとガス(塩素ガス)の状態となり、その存在率は pH 値が下がるに連れ高くなります。
水質はpH 値によって特性が変わります。

pH値の長所・短所

次亜塩素酸系生成水(次亜塩素酸ナトリウム溶液、電気分解水 等)の殺菌効力は次亜塩素酸分子(HOCl )の存在率がポイントになります。
次亜塩素酸分子の存在率が高い領域の生成水ほど、殺菌効力が高い生成水と言えます。

カンファ水(pH5.5 ~ 6.5)は反応速度に優れた次亜塩素酸分子が 90% 以上存在している領域であり、また 中性に近い弱酸性領域で調整されているので【殺菌効力と保存性が高く】【腐食性が低い】生成水なのです。

※カンファ水と次亜塩素酸ナトリウム溶液と殺菌効力を理論上で比較すると
カンファ水(pH6.0):次亜塩素酸分子の存在率 90%
次亜塩素酸ナトリウム溶液(pH8.6 ※100ppm):次亜塩素酸分子の存在率 10% 弱
カンファ水は次亜塩素酸ナトリウム溶液に比べ次亜塩素酸分子の存在率が約9倍あることから、理論上は約 9 倍の殺菌効力(反応速度)があると言えます。

参考:pH 値と殺菌効果の関係性(社内試験)

カンファ水の基礎理論である【次亜塩素酸ナトリウムの pH 値を下げることによる次亜塩素酸の活性化】を証明する目的で同一の有効塩素濃度の次亜塩素酸ナトリウム水溶液をそれぞれ異なる pH 値に調整し、クロコウジカビの分生子に対する殺菌効果を検証した。

  • 有効塩素濃度:75ppm
  • 検証方法:クロコウジカビの分生子にpH調整した6種の次亜塩素酸ナトリウム水溶液をそれぞれ1ml 添加し、30秒間作用させた。
  • 結果:基礎理論通り、pH 値が低いほど殺菌率が上がることが証明された。
pH 値 生菌数 ( 個 /m) 殺菌率 (%)
対象 sample-1 sample-2 sample-3 sample-1 sample-2 sample-3 sample-1
5.5 665,000 10 40 25 99.9985 99.99398 99.99624 99.99624
6.0 535,000 10 55 100 99.99813 99.98972 99.98131 99.98972
6.5 555,000 35 170 140 99.99369 99.96937 99.97477 99.97928
7.0 760,000 105 145 325 99.98618 99.98092 99.95724 99.97478
7.5 630,000 95 145 265 99.98492 99.97698 99.95794 99.97328
8.6 665,000 55,500 25,500 13,000 91.65414 96.16541 98.04511 95.28822

カンファ水の殺菌の主体である次亜塩素酸は微生物を構成する有機物を広く攻撃することによって殺菌作用を示すので、多くの微生物に対して有効な殺菌剤となります。
実際に、細菌 (グラム陰性、グラム陽性、芽胞) 、真菌(酵母及び糸状菌)、一部のウイルスに対して効果があることが確かめられています。また微生物はカンファ水に対する耐性を発達させにくいと考えられています。

代表的消毒剤とカンファ水の殺菌スペクトルの比較

代表的消毒剤とカンファ水の殺菌スペクトルの比較

カンファ水と次亜塩素酸ナトリウム溶液との殺菌効果比較

カンファ水は次亜塩素酸ナトリウムに比べ、短時間で強力な殺菌効果を発揮したことが確認されています。

試験菌 消毒剤 生菌数 ( /m)
開始時 10秒後 60秒後 10分後
枯草菌の芽胞 カンファ水 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 80ppm
2.8×107
2.8×107
2.8×107
1.8×107
3.1×107
1.6×107
1.9×107
1.5×107
2.1×107
1.9×103
2.4×107
6.7×106
枯草菌 カンファ水 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 80ppm
3.2×107
3.2×107
3.2×107
2.1×106
2.4×106
2.6×106
1.7×106
2.6×106
2.2×106
1.1×103
2.1×106
5.5×105
大腸菌 カンファ水 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 80ppm
1.0×108
1.0×108
1.0×108
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
黄色ブドウ球菌 カンファ水 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 80ppm
5.8×107
5.8×107
5.8×107
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
サッカロミセス
(酵母)
カンファ水 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 80ppm
2.4×106
2.4×106
2.4×106
1.8×102
3.2×106
1.5×105
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
< 10
クロカワカビ カンファ水 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 50ppm
次亜塩素酸ナトリウム 80ppm
2.6×105
2.6×105
2.6×105
4.7×105
1.7×106
1.2×106
1.1×102
4.3×104
3.3×103
< 10
< 10
< 10

※作用温度:20°C

試験先:(財)日本食品分析センター (第 102061420-007号)

他殺菌剤・消毒剤との殺菌効果比較

カンファ水(100 ppm) 、アルコール製剤、次亜塩素酸 Na 溶液(100ppm) 、市販消臭剤(殺菌成分入)、各薬剤が細菌種の中でも殺菌効果が示しづらい芽胞形成菌種に対する効果比較を実施した。

試験菌 試験液 生菌数 ( /m)
開始時 1分後 5分後 10分後
枯草菌
(芽胞)
カンファ水 (100ppm) 7.0×105 4.3×104 < 10 < 10
消毒用エタノール 7.0×105 6.0×105 4.9×105 4.8×105
次亜塩素酸 Na 溶液(100ppm) 7.0×105 5.6×105 5.1×105 5.0×105
市販消臭剤(殺菌成分入) 7.0×105 5.2×105 5.7×105 5.1×105
精製水 7.0×105 - - 6.1×105

<10:検出せず ―:実施せず 作用温度:20°C

試験先:(財)日本食品分析センター (第 12038238001-01号)

カンファ水のウイルス不活化効果

SARS-CoV2(新型コロナウイルス)に対するカンファ水の不活化効果を検証した。
(委託研究先:北里大学 医療衛生学部 医療検査学科)

検証条件
  • 初発ウイルス量:2×107TCID50/ml(ウイルス液中の FBS 濃度:2%)
  • カンファ水とウイルス液の反応比率 = 9(カンファ水):1(ウイルス液)
  • 測定評価法: TCID50法(全検証濃度実施) / プラーク法(100ppm のみ実施)
検証方法
カンファ水濃度 50・100・200・400ppm それぞれを初発ウイルス量に対し定めた比率で反応させた。反応時間は20・60・180・300 秒とし、それぞれの濃度における反応時間毎の感染価を評価した。
検証結果
濃度 100ppm 以上では SARS-CoV2 を作用時間 20 秒以上で 99.999% 以上不活化することが明らかとなった。
カンファ水濃度 反応時間
20 秒 60 秒 180 秒 300秒
50ppm 98.2% 96.8% 99.0% 99.0%
100ppm > 99.999% > 99.999% > 99.999% > 99.999%
200ppm > 99.999% > 99.999% > 99.999% > 99.999%
400ppm > 99.999% > 99.999% > 99.999% > 99.999%

濃度 50ppm のカンファ水においても 97% 程度の高い不活化効果を有することが確認出来たものの、ウイルス量及び反応液中の有機物量によってはウイルスを不活化しきれないことも明らかとなった。従い多くの有機物量が付着(存在)していると想定される実用上においては、ある程度の濃度が必要であることも確認出来る結果となった。

カンファ水の消臭効果

一般の消臭剤は「ニオイを別の臭い(香り )で覆う」方法が ほとんどです。しかしこの方法ではニオイその物を消している訳ではありません。

カンファ水の消臭方法はニオイの元(成分 ・要素 )を分解 ・変質し 、ニオイの元を消します。

カンファ水の消臭における作用機序

カンファ水の反応の主体である次亜塩素酸が悪臭の原因物質と酸化・塩素化反応をして、悪臭の無い(あるいは僅かな)物質に変性することにより、消臭します。
現在 、悪臭防止法により規制されている物質は、アンモニア(刺激臭)、硫化水素(卵の腐敗臭)、メチルメルカプタン(たまねぎの腐敗臭)、トリメチルアミン(魚の腐敗臭)などを始めとする 22 種類存在します。
例えばアンモニアにカンファ水を作用させた場合、アンモニアはモノクロラミンという物質に変質させ、これにより刺激臭が失われます。
アンモニア以外の臭いについても悪臭原因物質には有機物が多く、次亜塩素酸は有機物に対して反応性が高いことから、カンファ水はその他の臭いに対しても高い消臭効果があると言えます。

カンファ水の消臭効果

カンファ水と 4 種の臭気成分を反応させた場合の消臭試験においても高い消臭効果が確認されています。

カンファ水処理 反応前の臭気濃度 反応後の臭気濃度 反応後の臭気濃度
アンモニア 32.0ppm 検知されない 感じられない
硫化水素 20.0ppm 検知されない 感じられない
メチルメルカプタン 7.0ppm 検知されない 感じられない
トリメチルアミン 5.5ppm 検知されない 感じられない

※臭気 10 リットルに対し 100ml のカンファ水を袋の中で振り攪拌した後、検知管測定と官能による判定をした。

次亜塩素酸は分子、イオン共に反応後は速やかに消失します。従い反応速度が速い分子(HOCl )の存在率が高い領域ほど残留性が低く、安全性が高いと言えます。カンファ水は分子の存在がほとんどであることから安全性が高いのです。
またカンファ水の水質は中性に近い弱酸性なので、皮膚の炎症や手荒れなどを起こす心配はありません。

カンファ水を使った動物安全性試験

カンファ水は細菌を始めとする微生物を死滅させますが、動植物などの高等生物に対しては無害です。
ほとんどの微生物はただ1つの細胞から構成されていて、薬剤などに対しては非常に弱い存在です。これに対し高等な動植物は多数の細胞から構成され、個々の細胞は組織として存在しています。このような組織には保護皮膜や組織液といった防御構造が存在するため、カンファ水の影響が問題になることはほとんどありません。
カンファ水が高等生物に対して安全であることは、ウサギあるいはマウスを用いた動物安全性試験において、その安全性は立証されています。

試験項目 結果
単回経口投与毒性試験(ラット)
※急性毒性試験
(第 102061420-001 号)
異常は認められない
眼刺激性試験(ウサギ)
(第 102061420-005 号)
刺激性なし
皮膚一次刺激性試験(ウサギ)
(第 102061420-002 号)
刺激性なし
皮膚累積刺激性試験(ウサギ)
(第 102061420-006 号)
刺激性なし

試験先:(財)日本食品分析センター
※試験カンファ水濃度:200ppm
※ラット:実験用ネズミ

カンファ水の反応の主体である次亜塩素酸は、人間の免疫システムにおいて重要な役割を果たしています。免疫細胞のひとつである好中球は異物を分解して排除する際に次亜塩素酸を生成し、その殺菌力を利用しています。このことは次亜塩素酸が人間の体内に常に存在していること、これこそが次亜塩素酸が人間に対して無害であることを意味しています。

カンファ水噴霧による安全性

空間殺菌・消臭・加湿を目的としてカンファ水を空間に噴霧する用途が生活の場に適用されています。噴霧されたカンファ水の液滴を直接吸入した時の毒性を明らかにするため、東京農工大学との共同研究にて吸入毒性試験を実施し、その安全性は立証されています。

研究要旨 カンファ水の哺乳動物(ラット)に対する吸入毒性試験としてカンファ水を吸入暴露用飼育アイソレーター(1.785 ㎥)に噴射し、ラットに微細な液滴を 1 ヶ月間吸入させた場合の毒性と通常飼育環境下との間に差が生じるかを観察した。
研究方法 ラット雌雄各 6 ~ 7 匹ずつカンファ水噴霧環境群と通常飼育環境群(対照)との 2 群に分け、カンファ水噴霧環境群は吸入暴露用飼育アイソレーターにて【1 分間噴射(噴射量:6ml/ 分・3ml/ 分 )2 ノズルを 14 分間休止のサイクル】で毎日 19 時~翌日 7 時までの 12時間吸入暴露させ、この暴露を4 週間反復した。
結果 いずれのラットにおいても死亡、一般状態、体重 、摂餌量 、血液学的検査、血液化学的検査、病理解剖学的検査、器官重量及び病理組織学的検査のいずれの検査項目においても、カンファ水が起因とする変化は認められず、また対照との間に差は認められなかった。従い本実験においてカンファ水はラットに対し明らかな毒性を惹起しないものと考えられた。

東京農工大学大学院 共生科学技術技術研究部 動物生命科学部門 との共同研究
研究名称:カンファ水のラットにおける吸入毒性に関する研究(高濃度暴露にる影響)/ 2006 年 9 月 27 日
カンファ水濃度:200ppm
※カンファ水の空間噴霧に用いる濃度は 50ppm を推奨しております。

カンファ水は無公害

カンファ水から発生する塩素ガスの量は関係省庁及び関係学会が定める量未満の極めて微量であり、 使用環境において危険や弊害を及ぼす影響はほとんどありません。またカンファ水は弱酸性であることから次亜塩素酸ナトリウムの懸念点であるトリハロメタンの発生はほとんどありません。

塩素ガス発生量の検証

検証目的 測定概要・方法 結果
検証①:生成装置吐出直後 カンファ水を生成・吐水した際のシンク等で生じる飛沫での塩素ガス発生の有無を確認する目的で実施した。 200ppmのカンファ水を10L/分の生成量で15分間連続生成(吐水)させ 、吐水口より直線距離 1mの位置で測定した。
※空調による空気の流れに左右されないように空調を停止させ、可能な限り空気の流れを少なく調整した環境で実施した。
0.05ppm以下
(不検出)
検証②:容器開放時 カンファ水200ppmを入れた複数の容器を、蓋を開放状態にし密閉空間で一定時間放置した時の塩素ガス発生の有無を確認する目的で実施した。 0.13㎥の箱に容積の5%程度に相当する量のカンファ水(500ml容量ボトル14本)を蓋開放状態で置き、箱をラップで覆い密閉空間に近い環境を作り1時間放置させた。
1時間後検知管を箱内に入れ測定した。
0.05ppm以下
(不検出)
検証③:高濃度空間噴霧時 カンファ水200ppmを閉鎖空間で空間噴霧させた時の塩素ガスの発生の有無と発生量を確認する目的で実施した。 42㎥の閉鎖空間内で840ml/時の噴霧量を連続噴霧した。測定は目視で霧が最も濃く見られた地点(噴霧口から直線距離 3.5m程)とし、噴霧開始から15分後 、30分後 、60分後の3回測定した。 ※空調による空気の流れに左右されないように空調を停止させて実施した。 いずれの測定値も
0.05ppm程

※測定器材:(株)ガステック社製 検知管式気体測定器 GV-100S  検知管:(株)ガステック社 8LL(測定範囲0.05 ~1.0 ppm)
※厚生労働省 塩素ガス管理濃度:0.5ppm
※日本産業衛生学会 塩素ガスの許容濃度:0.5ppm
※カンファ水の空間噴霧に用いる濃度は 50ppm を推奨しております。

カンファ水は排水処理にも安心

カンファ水の殺菌作用は【次亜塩素酸(HOCl)】によるものです。また次亜塩素酸の反応対象は細菌・ウイルスだけではなく、有機物全般が反応対象となります。次亜塩素酸は有機物と反応後は速やかにその効力は消失します。
排水中には様々な多くの有機物が含まれており、次亜塩素酸は排水中でこれらの有機物と速やかに反応し効力は消失します。この次亜塩素酸を多く含有しているカンファ水を希釈又は中和処理をせずにそのまま排水しても、浄化槽に至る前に効力は消失し、排水処理に必要な有用微生物に影響を及ぼす心配はありません。

カンファ水が有機物と反応すると速やかに効力が消失する理論を証明する目的で、カンファ水に微量の血清(糖類※有機物)を添加することで殺菌力に影響が生じるかを検証しました。
カンファ水に 1% 以上の有機物を反応させることで殺菌作用が急激に低下する結果となりました。
この結果からカンファ水をそのまま排水しても、有機物を多量に含む排水と混和すると速やかに効力が消失し 、浄化槽の有用微生物には影響を及ぼす可能性は極めて低いことが言えます。

試験菌 開始時(/ ml) 血清(有機物)添加量
1ml 2ml 5ml
黄色ブドウ球菌 2.0×106 < 10 < 10 1.5×103
緑膿菌 2.0×106 < 10 < 10 1.5×103
大腸菌 2.5×106 < 10 < 10 2.0×103
枯草菌 2.8×106 < 10 3.0×103 2.0×106
カンシダ菌 3.5×106 < 10 < 10 2.5×103

※検証カンファ水:50ppm / pH6.0 / 200ml / 25°C

カンファ水は安定性に優れていることも特徴の一つです。次亜塩素酸ナトリウム溶液や強酸性系電気分解水、オゾン水の様な短時間での著しい濃度低下や変質が生じにくく、経時変化がほとんど生じないことから、一時保存して使用できる利便性にも優れています。

一般生活環境下における経時変化

  保存月数 有効塩素濃度
(ppm)
検証 1 生成時 140
1ヵ月後 128
3ヵ月後 122
6ヵ月後 115
検証 2 生成時 220
1ヵ月後 195
3ヵ月後 192
6ヵ月後 167
  • ※一般生活環境:常時 22 ~ 25°Cの室内環境
  • ※半遮光容器にてスプレーノズルを装着した状態で保存
  • ※濃度測定は蓋を開放せずにスプレーより噴射されたカンファ水を採取し測定
  • ※上記値は各検証サンプル 5 本ずつ検証を行った、平均値になります

環境変化が著しい環境下における経時変化

  保存月数 有効塩素濃度
(ppm)
検証 1 生成時 140
1ヵ月後 125
3ヵ月後 107
6ヵ月後 104
検証 2 生成時 220
1ヵ月後 196
3ヵ月後 187
6ヵ月後 152
  • ※環境変化が著しい環境:稼働時60°C強の設備上部。設備停止時25°C前後。60°C~ 25°C 前後の温度変化が頻繁な環境
  • ※半遮光容器にてスプレーノズルを装着した状態で保存
  • ※濃度測定は蓋を開放せずにスプレーより噴射されたカンファ水を採取し測定
  • ※上記値は各検証サンプル 5 本ずつ検証を行った、平均値になります

食品工場等でカンファ水生成装置を設置し、使用現場で生成されたカンファ水を食品の殺菌に用いることは厚生労働省より認められています。

関連法令:
  • 厚生労働省医薬食品局 食品安全部基準審査課長 食安基発第 0825001 号(平成 16 年 8 月 25 日)
  • 厚生労働省医薬食品局 食品安全部長 食安発 0424 第 1 号(平成 26 年 4 月 24 日)

スプレーボトルや容器にパッケージされたカンファ水を購入し、これを食品に用いることは認められておりません。
カンファ水を食品に用いる場合は生成装置が必要になります。

OK

使用現場(工場 )に生成装置を設置し、現場で生成したカンファ水を食品に用いることは食品添加物殺菌剤として認められている。

カンファミキシノーヴァ
NO

予め生成された水溶液を購入し、これを食品に用いることは認められていない。また食品の殺菌用として販売してはならない。

カンファスイ

次亜塩素酸を効力の主体とする生成水には様々な種類があります。製法の違いで特性が異なります。

食品工場等でカンファ水生成装置を設置し、使用現場で生成されたカンファ水を食品の殺菌に用いることは厚生労働省より認められています。

生成水種類

比較項目

カンファ水 次亜塩素酸
ナトリウム水溶液
電気分解式
強酸性水
(次亜塩素酸水)
弱アルカリ水 微酸性水
(次亜塩素酸水)
生成方法 次亜塩素酸ナトリウム(食品添加物)に専用塩酸(食品添加物)を 加えpH調整し、水で適用濃度・pH に自動的に希釈調整 次亜塩素酸ナトリウムを水で適用濃度に自動的又は人的に希釈調整 食塩を水に溶解し、有角膜電解槽で電気分解し、プラス(+)極側で発生した。
塩素ガスを水に溶解し生成。
※マイナス(ー)極側で は強アルカリが生成
食塩を水に溶解し、無角膜電解槽で電気分解し、プラス(+)極側で発生する塩素ガスを水に溶解し、高濃度次亜水を生成。これを水で適用濃度に希釈調整 塩酸を水で希釈調整した液を無角膜電解槽で電気分解し、その際にプラス(+)極側で発生する塩素ガスを水に溶解し 、高濃度次亜塩素酸水を生成。これを水で適用濃度に希釈調整
生成濃度
pH 値
30 ~ 200ppm
(標準仕様機の
設定濃度)
5.5~6.5
~ 200ppm
(実用的に
用いられる濃度)
8.4~9.5
※上記濃度の場合
~ 60ppm ※1
~ 30ppm ※2
2.7以下
30 ~ 200ppm
7.6~8.5
~30ppm ※1
10~20ppm 前後 ※2
5.0~6.5
殺菌効果 評価 :◎ 次亜塩素酸(分子 )の存在率が高いことから短時間で効果を発揮。また高濃度まで生成出来ることから細菌以外の有機物が多い状況下でも様々な菌種やウイルスに応じた広い殺菌スペクトルがある。 評価 :△ 次亜塩素酸(分子 )の存在率が低いことから短時間での殺菌効果は発揮出来ない。 評価 :△ pH 値が低く酸化力が強く、生成直後は高い殺菌効果を発揮する。しかし濃度が低いことから、有機物が多く付着している物や環境に対しては殺菌効果を発揮することは難しい。 評価 :△ 高濃度まで生成出来るが、次亜塩素酸(分子)の存在率が高くないことから、短時間で殺菌効果を発揮することは難しい。次亜塩素酸ナトリウム水溶液よりは若干優れている。 評価 :〇 次亜塩素酸の存在率が高いことから短時間で殺菌効果を発揮出来る。しかし濃度が低いことから 、有機物が多く付着している物や環境に対しては殺菌効果を発揮することは難しい。
実用性
(ランニングコスト
保守 等)
評価 :◎
  • 濃度の可変幅が広い ことから、目的や対象 の状態に対応することが出来る。
  • 主な消耗品は薬液の みで、電極交換等の高額なメンテナンス費を要さず、ランニングコストが安価。
  • 安定性が高く、タン ク等に貯留しても効力の低下は生じない。
評価 :△
  • 人的希釈の場合は、作 業者によって濃度に 誤差が出る可能性が あることら、濃度の安 定化と管理が困難。
  • ランニングコストは 非常に安価。
  • 使用方法(接触時間 等 )によっては、食材 の変色や変質等の品 質影響が生じる。
    また漂白作用が強いことから脱色の懸念がある。
評価 :×
  • 生成能力が低く、また 安定性も低いことか らタンクに貯留する ことも難しいため、工 場規模での大量使用 には適さない。
  • 能力を保持するため には 、電極等の定期 的な部品交換が必要。
  • 塩素ガス化しやすい性質のため、使用場所周辺金属(シンク等)に 腐食が生じる。
評価 :△
  • 生成能力及び生成濃 度共に工場規模での 使用には適している。
  • 能力を保持するため には 、電極等の定期 的な部品交換が必要。メンテナンス費が非 常に高価。
評価 :〇
  • 生成能力的に工場規 模での使用には適している。但し濃度が 低いことから汚染度 (汚れの度合、細菌の 数)が高い対象や環 境への使用では高い 効果が期待出来ない。
  • 能力を保持するため には 、電極等の定期 的な部品交換が必要。メンテナンス費が非 常に高価。

◎:優れている ○:比較対象の中では良い分類 △:比較対象の中では劣っている ×:優れていない
※1:メーカーよりカタログ等で示されているスペック ※2:当社が使用先にて実測調査した値